fc2ブログ

毎日快晴時折曇天4 京都伏見暮らし

関西系、食い意地blog /スイカ小太郎。

魚菜料理 縄屋@京丹後 峰山

2021
18
こういうご時世なので発表しにくいのですが、2週間ほど寝かせた大ネタの京丹後ミニツアーネタを1つ。

お酢を使ったメニューが特徴の激ウマイタリアン、宮津の「アチェート」に行ったのは、このバスツアーネタなので、早いものでもう2年前になるのですが、昨年、アチェートの敷地内にある蔵で開店準備をされていた寿司店が、東京から職人さんを招聘し、ようやくオープンしたとの情報。TVのドキュメンタリー番組でその開店に至る経緯が放映されていたのを見て、予習もばっちり。そろそろ行こうではないか!と言う話になったのが丁度お正月ごろ。が、六席しかないお店で、行くなら貸し切りでしょう?と予約電話したら、コロナ渦中で現在一時閉店中との情報で超がっかり~。(多分、いずれまた作戦を立てることになるのですが・・・)

で、今回も前回バスツアーで運転をお願いしたTJさんのマイカーで連れて行ってもらうという作戦で、その了解は頂いていたので、折角の機会なので!と以前から行きたかった京丹後の峰山にあるお店に電話。ランチ営業はされている!とのこと。で、6名で貸し切りをお願いしたら快諾頂けたのだ。予約をいれたのは1月の緊急事態宣言直後で、一応解除されて少々ほっとしつつやってきた峰山。 いつものように長い前置きなのですが・・・

縄屋(小)_001

お店の名前は「魚菜料理 縄屋」、ミシュラン店ですので食べ歩いているような人には説明不要の有名店。和久傳出身のご店主がご夫婦で営むお店で、2008年オープンで元々割烹スタイルの和食店だったのですが、昨年に大リニューアルされて、薪火!を使ったお料理を出すお洒落なお店に生まれ変わった!との情報。烏丸御池交差点から、車でざっと2時間半ほどで到着。

縄屋(小)_002

こちらが入り口。住所兼店舗と思われるのですがなんだか立派な一軒屋物件。が、中に入ると・・・

縄屋(小)_003

和食・洋食という画一的カテゴライズからは外れた、峰山の緑を感じるなんともモダンでお洒落な空間。我々はこの写真の反対側の・・

縄屋(小)_004

キッチンに向かうカウンター席に入れてもらうのだ。カウンター席も最大10席ほどは楽々取れそうな空間ですが、お二人でやられているので満席にはされないのかも?ですな。お料理はコース¥12000を、皆、特に好き嫌いなくなんでも食べます!とお願いしているのですな。ワクワク!

縄屋(小)_005

京丹後周辺の酒蔵の日本酒を揃えられていて、全10種+αほどスタンバイ。まずは地元のものをと、竹野酒造謹製「錦蔵舞 純米吟醸」からスタートなり。いやー、同じ酒蔵の「祝蔵舞」は京都市内でもちょくちょくお目に掛かりますが、これは初めて。山田錦5割磨きですが、いやーこれはうめえや!の¥1500/合なり。特に説明なく、2015BYの古酒がするっと出てきて驚いた。が、ひねた感じは控えめなのに味は厚みがしっかり。するすると喉の奥に滑り込みますな・・・。 以後お酒は全部二合づつシェアして楽しむ作戦。

縄屋(小)_006

まずは先付け的に、土鍋ご飯の煮えばなを少量。米だけリゾット!的な食感なのですが、なんだかほっと。

縄屋(小)_007

次は椀物なのですが、ちょっと変化球で「甘鯛のしゃぶしゃぶ」なり。程よい濃度にコントロールされた熱いおすましに、直前に甘鯛の切り身を浮かべ、しゃぶしゃぶに見立てて頂く趣向。大量に刻み込んでいるのは芹で、なんだか春の香りなのだ。添えてある梅肉の入った炒り酒で頂きます。芹の根っこの力強い風味に目が覚めますな。。。

縄屋(小)_008

で、いきなり本日一!だと思ったマナガツオの焼き物。西京焼かな。上に乗ってあるのは自家製のキャベツ古漬けでドイツのザワークラフトのような。それにホースラディッシュの卸したものが添えてあり、これをパリッとした海苔に巻いてパクっと!なのですが、これが旨いのなんの。それぞれ単品でも主張のあるお味ですが、海苔に巻いたとたん驚くべき一体感。 これが薪火の火入れか!と感動するのだ。

縄屋(小)_009

これは酒ですよ酒!ということに。しっかりしたお料理が続くので、そういうのに合わせてチョイスしようと久美浜の木下酒造謹製「玉川 自然仕込 生もと純米酒 コノウトリラベル」¥1125/合を。だはは、これも2015BYでした。元々ボディしっかりな玉川が、なんだか紹興酒的な旨味が加わり、絶対中華料理に合うような感じに。とはいえ、西京焼のマナガツオにも最強にあうのだ。びっくりしました。

縄屋(小)_010

お次は、平目の刺身なのですが、これがまた驚くべき味付け方法。ナマコを調理した際に出た汁から塩を作り、そのナマコ塩を平目にまぶしたものなのだ。いやー、初めて聞く手法ですが、淡くて優しい塩の乗せ方ですな。添えてある緑の野菜は茹でた甘草(かんぞう)。きゅっきゅっとしたニラに似た食感で美味しい。

縄屋(小)_011

で、更にお酒。伊根町の向井酒造謹製「京の春 山廃純米」で¥1020/合なり。京都の地酒でも結構しっかり系な「京の春」なのですが、先の2種類がもう相当ヘヴィなので、軽やかに、ふんわりと優しく感じるのだ。そうそう、生魚にはこういう日本酒だよね!と言う感想。これも5年物とかじゃないですが、古酒だったような~。色付きの徳利なので常温だったような~。(既に大分、酩酊状態汗)

縄屋(小)_012

で、更にお刺身なのですが、河豚。薄切りでは無く歯ごたえを感じられる少々厚切りで、湯引きした皮を添え、ほぼ酸っぱくない柔らかーいお味のポン酢ジュレで頂くという。旨くないわけがないわけで。

縄屋(小)_013

縄屋では初春の定番だと教えて頂いた椀物。自家製だという黒豆味噌の碗ですがトロリとしていて、フキノトウを練り込んだ焼き餅、衣をつけ揚げた香ばしいブダイ、茹で菜の花を添えてある、酒呑み用に調整されたお雑煮的な一品。これまた超ウマですなあ~。

縄屋(小)_014

更に向井酒造謹製「京の春 生もと純米」で¥1020/合なり。もう吞みメンバーは相当なご機嫌さん状態になっているのですが、これまた優しい味だよねえ~と、次のお料理に合わせてお酒を選んでくれているMNさんと会話したような。

縄屋(小)_015

僅差で本日二!の皿。面白い盛り付けですな。さっと薪火で焼いてあるほうれん草が。それを除けると・・・

縄屋(小)_016

食べやすく骨を取った肉厚でボリューム感しっかり!な太刀魚が。この太刀魚がジューシー且つ、ふわふわに焼き上がっていて本当に美味しい。塩も完璧。キッチンの薪火用のオーブンの中で、赤い炎がゆらゆらとたなびいているのを眺めつつ、やはり、これも薪火の威力なのか!と大感心。

縄屋(小)_017

まだまだお料理が続く!のですが、ちょっとお酒のアテ用インターバル的な小皿二種が出てくる。左は、茹で蛍烏賊と山葵の花の酢漬けを和えたもの。 左手は、甘エビの身と、薄切り大根、フェンネル薄切りを甘エビのワタで和えたもの。両方とも間違いなく日本酒のアテなのだ。 (いや、炊き立て白ご飯に添えても、間違いなく超旨)

縄屋(小)_018

で、次からお肉の皿が2つ続く!という事なので、再び竹野酒造謹製の「旭蔵舞 斗瓶取 純米吟醸」¥2400/合を。うわ、今見たら良いお値段なのですが、滋賀県産の無農薬米認定を受けた旭6割磨きを使用。確か旨かったような! これは間違いなく冷酒。

縄屋(小)_019

吞み比べで、向井酒造謹製「益荒猛男(ますらお)」¥1188/合なり。かっこよいラベルですな。こちらは京都産旭の6割5分磨き。 京都の結構好きな酒蔵でも、こういう呑んだ事が無いシリーズはまだまだあるよねえ、ということに。

縄屋(小)_020

まずは猪の背脂薄切りを茹でて、醤油の搾りかすを振りかけ味付けしてある一品。その脂を野菜と合わせて頂く趣向なのですが、これがなかなか乙な味。肉厚な椎茸、人参に、小タマネギ、子持ち高菜(アーサイ)など。黒七味が全体の旨味をぎゅっと取りまとめているのだ。

縄屋(小)_021

更に猪のロースト。クレソンを添えてあり、上に掛けてあるソースがなんと「きんぴらごぼう」で、火入れは御覧の通り。天然物の猪は寄生虫が怖いので、完全に焼き切るか、一旦冷凍して寄生虫を殺し、解凍するかなのですが、このレアさで旨味満載!な火入れには驚きました。間違いなく、過去食べた焼いた猪の中で最良。

で、先に炊き立ての釜炊きご飯を食べたので、〆は何になるのかなあ??なのですが・・・・

縄屋(小)_022

河豚雑炊!で〆という外し具合。わざわざ、雑炊用に固めのご飯を釜炊きしている変態店なのだ。添えてある香の物の細部にも心がしっかり配られてるわけで。が・・・

縄屋(小)_023

雑炊の中には、蕎麦粉を付けて揚げたでっかい河豚の白子が沈んでいるという、最後の大技あり。いやはや、最後まで大堪能・・・・! 

縄屋(小)_024

〆の甘いものがこれまた美味しくて、黒文字のアイスに、ふんわり甘いお芋さんのピュレ、それに揚げたてのあられをパラパラと。黒文字は高級爪楊枝に使われている木ですが、山椒のような独特の爽やかな香りがするのだ。全体的に甘さ控えめで素材感を全面的に押し出す構成でついついペロッと。


で、結局5人で、日本酒は一升二合と、昼酒とすると健全な酒量(滝汗)で、呑みメンバーは¥19000/人というお支払い。(運転をお願いしたTJさんには、なんとも申し訳ないですが汗汗)
こんな高級店は年に数店ほどの訪問で、ミシュラン店はお高いので過去行ったお店以外の新店は避けている(滝汗)我々ですが、今回は、お酒のラインナップから設えから、お料理の佇まいまで隅々まで満足度の高かったお店。また、季節代わりになんとしてでも再訪しようと画策することになりそうな予感ですな。 わざわざ行く価値ありまくりですので、よろしかったらドライブがてらぜひ。今なら席、取りやすいです。
 
 

 
◆魚菜料理 縄屋
住所:京丹後市弥栄町黒部2517
営業時間:12:00一斉スタート 18:30一斉スタート 月火休・臨時休あり
TEL:0772-65-2127


関連記事

0 Comments

Add your comment