SONY Park展 KYOTO@2022/11/21
で、今回やってきたのは、「SONY Park展 KYOTO」なる展覧会。銀座にあったソニービルが2017年に解体され、その跡地に出来た「Ginza Sony Park」で昨年行われた展覧会を、折角なので東京以外でもやろうぜよ!となったようで、今回京都で行われる運びに。

京都では会場が2か所に分かれていて、その第一会場がこちら、京都新聞ビルの地下1階。もともと、京都新聞の印刷工場があった跡地で、久御山に新印刷工場が開業したのに伴って、2015年に閉鎖された模様。それ以来、地下鉄丸太町駅隣接という便利な立地なのを利用してちょこちょこ美術展などが開催されているのだ。で、私は今回、初訪問。オープン時間の10:00を少々回った時間帯。
こちらでは「ソニーが取り組む6つの事業をテーマに、ソニーミュージックグループに所属する6組のアーティストと共につくる、クリエイティブな体験型の展示プログラム」が見学できるのですが、実はこの印刷工場跡がどんなものなのか興味深々でやってきたのだ。入り口でパンフレットなどを頂いて、会場へ。(企業様の展覧会なので、完全無料です~!)

階段を降りると、印刷工場のあった巨大な地下空間が、ばばーんと。天井高は10メートル弱ほど、総面積1000平米。1974年竣工で、地階2フロア分を印刷工場として使用していたようです。こんな街中に巨大な輪転機が設置され、毎日、ばんばんと新聞を刷り出していたのを想像すると、なんだか凄い風景ですな。まだ、新聞インクの香りがホンノリと香る空間。

概ね展示は、印刷所跡の半分ほどの空間を使って行われておりました。岡崎体育、奥田民生、東京スカパラダイスオーケストラ、millennium parade、YOASOBI、Creepy Nutsというアーチスト6組が、色々と体験型展示の仕込みに関わっておられるわけです。

こちらは「旅」をテーマにした展示で、空港の荷物コンベアのように真っ白な箱が配置されていて、それぞれの箱にヘッドホンジャックがあり、ヘッドホンでその箱に入っている曲を聴いて、「旅だー!」と感じるというような仕組み。ま、当然、ソニーミュージック系な方々の楽曲が130曲以上聴けるという大ボリューム。

その周りの展示でもソニーの懐かしアイテム系なものがいくつか展示されているので眺めていたら、係の人から地下1階に設けられたシアターが空いているので~!と、タイムリーなご案内あり、移動する。

出し物は「THE MILLENNIUM PARADE THEATER」なり。30名ほどで昨年発表された「Bon Dance」のMVを見学。YouTubeにほぼ同じプログラムがありますので、気になる方はぜひ。世界観は、概ねAKIRAやブレードランナーの延長線上にありそう、と思ってしまう年配者ですが(汗)、お洒落ですな。
で、もう一つ、これは面白いなあ!というのがありまして・・

撮っちゃいけないので、スタートするまでのスクリーンなのですが、東京スカパラダイスオーケストラのボーカル、谷中敦氏の書き下ろしポエムと楽曲、それに星空の景色が融合した「Planet Poem」(プラネタポエム)なるインスタレーション作品。
真っ暗な部屋内に、プロジェクターでポエムの白い文字が映し出されて、まるで星空のように全身を包み込む景色になるのが素敵でした。床に張り付けてある反射板がなんだか非常にいい効果。また、どこぞでやってほしいかも。

で、地下室のキャットウオークからの景色。昨年の夏に開催された銀座以外の会場を探されていたようで、この京都になった理由は、多分、この第一会場が存在したからであろうと思うのですな。

再び印刷工場に降りてきて、1976年発売の「ジャッカル」の愛称で親しまれたラテカセ(=テレビ一体型ラジカセ)の巨大モックアップに度肝を抜かれるのだ。白黒の3インチモニターで、録画機能なんぞも一切!ない(録音は出来る)のですが、一人暮らしの若者に爆発的に売れたのですな。
このモニターで、ウオークマンや、ハンディカムの誕生秘話を架空のラジオ番組でやっている、というような出し物が流れていて、面白かったのでついつい30分ほどモニター前でくつろいでしまい、気が付いたらお昼時。飯を食ってから第二会場に向かおうということに。

で、ランチ後やってきたのがロームシアター京都。こちらの出し物が私にとってはメインプログラムで「"My Story, My Sony" 特別展示」なる、ソニー創業から現代までの800点ものソニー製品の展示なのだ。よくぞ残してありますな。

入り口前には、多分昭和30~40年代生まれなら、類似の商品には間違いなくお世話になったであろう巨大ラジカセのモックアップがどどーんと。

入り口入って直ぐが、私にとっては過ぎ去りし過去を思い出さないわけにはいかないゾーンなのだ。1960年~70年後半までのソニー製ラジオ類の展示ですな。
で、白状しますと、現在、関西にある某総合家電メーカーの電子部品部門に席を置いているのですが、この世界に足を踏み入れた理由は、多分、ソニーが好きだったから、なのだ。 あまり同僚には白状できないのですが、思い返すとアホほど貢いでいるなあ!と言う事を思い出したわけで。それが・・・

ワタシの「My First Sony」ならぬ、自分が所有する「My First 家電製品」がこちらのソニー製ポータブルラジオ、TR-610でした。調べますと私が生まれる前の1958年に販売開始されたモデル。
で、今は無き某家電メーカー系列の仕事をしていた叔父さんが手元に置いていたAMラジオで、確か小学校6年生になったお祝いに頂戴!頂戴!と、せしめたもの。当時は深夜ラジオが大ブームで、マセたガキだった私は眠たい目をこすりながら「MBSヤングタウン」をイヤホンで聞いていたのだ。
で、1970年代に流行した「BCLブーム」(海外のラジオ放送をエアチェックし、受信状況や感想をラジオ局にハガキ等で送ると、BCLカードという綺麗なカードが貰える)や、「ナマ録ブーム」(カセットレコーダーを外に持ち出し、野鳥や列車の音、祭りやコンサートなどを録音して楽しむ。音声付き動画が気軽に撮れるようになるのは10年チョイ後)の中心には、いつもソニーが居たわけで。

そのBCLブームで爆発的に売れたラジオ「スカイセンサー5800」なり。1974年販売開始で、調べますと当時20800円。中学生がおいそれと買える値段ではなかったのですが、お年玉と夏・冬休みのアルバイト代を全投入!して買いました。機械式の60分タイマーが付いているのが画期的で、深夜ラジオで寝落ちしても大丈夫!になったのも嬉しい機能でした。
で、気が付いたらそういう機械いじりが大好きになっていて、この後継機のICF-5900も買った記憶アリ。ソニーのおかげで、学校の長期休みにはかならずどこかでバイトして、稼いだお金はソニーや他の電機メーカーにほぼすべて貢いでいて、当然「カセットデンスケ」も買った記憶が。

で、気がついたら中2でアマ無線資格(当時の電話級)を取って、その勢いで親に「ラジカセとかテレビを作るエンジニアになるのだ!」と宣言して工業高校に入学し、大学に行かずにそのまま今は無き関西総合家電メーカーに席を置くことになるわけで。まあ、先のラジオのおかげでこういう路線になったのは、概ね間違い無いのですな。
で、この辺りの展示物は、入社当時~30代後半ぐらいまでの仕事とリンクする物ばかり。

恥ずかしながら、その当時、ビデオレコーダーのメカ設計部門に出来の悪い技術者として席を置いておりまして、ソニーさんのベータマックス、それに8MMビデオなどの商品の斬新さにいつもビックリさせられる立場に。このTR55が出たときは腰が抜けましたよ、全く。これまた白状しますと、当時の上司が秋葉原で本体数台とサービス用の交換部品を手に入れてきて、調査したワクワク感と敗北感(いやー、こんなものは我々には量産できない!)をほんの昨日のように思い出すのだ。

で、ソニーといえばこれ。ウオークマン初号機。ステレオの再生機能を、外に持ち出して使うという「音楽の聴き方」の新しい地平線を作り出した商品。ソニーのいつものパターンで年々、新モデルがどんどん小型化し、お洒落になるのですが、類似のものやCD版も含め、3、4台は買った記憶が。(一時、ライブハウスでの録音用に、録音機能があるのにお安いAIWAに浮気していたりしますが) 私はMDウオークマンは未購入で、このあと、世間はiPod に移行するわけですが、それ以来ミュージックプレーヤーでの「音楽の聴き方」自体はウオークマンから何一つ進歩しておりませんな。

当然、このあたりにも貢いでおります。私はPS3までですが。これも現在の仕事に微妙~にリンクしている商品の1つ。

で、席を置いていた会社でもノートパソコンを販売していたのですが、巨大なA4サイズで出張が多いので重くて大変で、自分で買うので!とITに掛け合って、VAIO PCG-505を導入したのですが、ちょっと非力すぎて直ぐ没になったという(汗)。とはいえ、個人的にはカラーリング等を含めて大好きなモデルで、ソフマップのおかげでVAIOもあれこれ3台ほど買ったかな。。

で、この展示物の中で自分的に一番高価なものは?と考えると、上のVAIOが最高額(248,000円)だと思ったら、これがありました。いやー、前の職場ではこれを使っているとは言えなかった、VEGAの平面テレビ、KW-32HDF9なり。液晶モニターが安価になる直前に企画されたフラットなブラウン管テレビなのですが、ブラウン管なので32型でなんとなんと68kg!という重量。いやーお値段は相方にバレると怒られそうなので書かない!のですが(滝汗)。
いやはや、展示物1つ1つに反応してしまうので、結局2時間ほど不審者のようにうろうろと。その他、これまた結構貢いでいる携帯電話や各種メディア(カセットテープやビデオテープ、CDなど)にもお世話になっているなあ!と感慨ひとしお。
今後も何か世間がびっくりするような商品やサービスを、他のメーカーよりもちょっとあか抜けた感じでスタイリッシュに提供してくれそうな気がしている、ファンの1人です。これからも是非、よろしくお願いいたします!なのだ。 いやー、面白かったです。
で、このネタは多分「Ginza Sony Park」の2024年完成ネタに続く予定です。
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